国産紅茶グランプリ2018 審査結果

2018年の国産紅茶グランプリの結果は以下の通りです

本年度の応募は、チャレンジ部門 50点、プロダクツ(市販茶)部門 38点です。

基本的に、好き、美味しい=1点、普通=2点、嫌い、美味しくない=3点の評価をし、9月24日の予選会にて合計点の少ない順に10作品(ただし、1事業者、1部門、1点のみ)を選びました。
10月20日にスカイワードあさひで開催したグランプリファイナル(決勝戦)では、68名の一般審査員を含めた決勝で審査し、各賞決定いたしました。
各賞の順位は発表順となっています。

チャレンジ部門 入賞者

グランプリ 製茶事業者:金川製茶(カニガワ) 茶師:比嘉竜一
2018年8月 茶樹:べにふうき 産地:沖縄県名護市
2018年8月摘みの夏摘み紅茶です。普段は真夏の熱い時期は紅茶は作らないのですが、この時期の紅茶の評価も知りたく出品しました。淡白ながらも荒々しい風味になりがちな夏摘み紅茶を出来る限りやさしい味わいになるように製茶してみました。この部門の名の通りチャレンジングな紅茶になっています。よろしくお願い致します。
     
準グランプリ 製茶事業者:やんばる紅茶 茶師:大城 浩樹
2018年4月 茶樹:べにふうき 産地:沖縄県国頭郡国頭村奥
茶畑は、沖縄本島最北端、やんばる国立公園内の傾斜地にあります。土は「国頭マージ」と呼ばれる、粘土質の赤土の酸性土壌。品種は「べにふうき」、無農薬栽培10年目の茶木のファーストフラッシュです。一芯二葉の手摘みで、ゴールデンチップを多く含んでいます。花のような華やかな香り、マンゴーのような甘い香り、明るい水色が特徴です
     
準グランプリ 製茶事業者:品種茶専門店 心向樹 茶師:川口史樹
2018年8月 茶樹:ブレンド 産地:埼玉県狭山市
品種の持つ個性を生かし、和紅茶ならではの香味と味わいを引き出せるように丁寧に作りました。香味の調和を意識して2つの品種を合組しました。
     
審査委員長賞 製茶事業者:春日ティーファクトリー 茶師:春日ティーファクトリー
2018年5月 茶樹:在来種 産地:岐阜県揖斐郡揖斐川町春日
味と香りの違いに留意して作りました。
     
金賞 製茶事業者:農事組合法人ハサマ共同製茶組合 茶師:山中千佳
2017年7月 茶樹:ブレンド 産地:三重県四日市市川島町狭間
手摘み・手揉みの、べにふうき・べにふじ紅茶のブレンド熟成紅茶です。
     
金賞 製茶事業者:亀山Kisekiの会 茶師:大谷一哉
2018年6月 茶樹:べにほまれ 産地:三重県亀山市
60年前に植えられ、奇跡的残ったべにほまれ復活茶園のファー-ストフラッシュとセカンドフラッシュの若芽をそれぞれ機械摘みし、製茶・ブレンドしました。べにほまれ紅茶『Kisekの紅茶』の原料になります。
     
金賞 製茶事業者:鳥羽志摩農業協同組合 茶師:鳥羽志摩農業協同組合
2018年6月 茶樹:ブレンド 産地:三重県志摩市
志摩市阿児町鵜方では、明治から昭和にかけて紅茶の生産が行われていました。全国的な品評会で最優秀賞を受賞し、鵜方の紅茶は全国的に有名だったと言われています。昭和50年代を境にして減少し、現在紅茶生産は皆無となりました。当JAは、平成29年1月に地域における茶業の地域産業としての再活性化を図るため、茶生産に関する実態調査を実施しました。その中で、紅茶品種(はつもみじ・紅ほまれ)を栽培する生産者2名を確認し、平成29年6月から農業改良普及センターの協力の下、鵜方紅茶復活に向け製造試験を開始しました。
     
銀賞 製茶事業者:岩永製茶園 茶師:門内智子
2018年7月 茶樹:在来種 産地:熊本県上益城郡山都町馬見原
昔から我が家に自生していた在来種の茶の木から、成育の良い茶樹を選んで挿し木で増やした(60~70年前)茶葉で作りました。
     
銀賞 製茶事業者:お茶の坂口園 茶師:坂口和憲
2018年8月 茶樹:べにふうき 産地:熊本県水俣市
丁寧に一芯二葉摘みした茶葉を優しく手揉みしました。華やかな香りと優しい味わいに仕上げました。
     
銀賞 みとちゃ農園 茶師:栢下裕規
2018年7月 茶樹:ブレンド 産地:奈良県
手摘みの紅茶
     

チャレンジ部門の予選を通過しなかった皆さんの作品の得点は以下の通りです。
この中には、上位に入った作品も有りますが、1事業者、1部門、1点のみの規定により、決勝進出できなかった作品が含まれます

表示は、「エントリーNo. : 得点」となります。得点の低い方が上位となります。
お茶は嗜好品であり、特定の嗜好層を狙ったお茶は今回の得点が下位であっても価値が下がるものでは有りませんが、一つの参考にしていただければ幸いです。

c-01:42pt. c-12:43pt. c-27:36pt. c-39:39pt.
c-02:39pt. c-14:41pt. c-28:42pt. c-40:45pt.
c-03:28pt. c-15:45pt. c-30:34pt. c-41:37pt.
c-04:35pt. c-16:39pt. c-31:34pt. c-44:47pt.
c-06:40pt. c-19:40pt. c-32:44pt. c-45:39pt.
c-07:39pt. c-20:39pt. c-33:37pt. c-46:42pt.
c-08:39pt. c-21:39pt. c-34:38pt. c-47:40pt.
c-09:48pt. c-23:34pt. c-36:38pt. c-48:36pt.
c-10:50pt. c-24:31pt. c-37:43pt. c-49:40pt.
c-11:37pt. c-25:39pt. c-38:41pt. c-50:38pt.

 

プロダクツ部門 入賞者

グランプリ 製茶事業者:金川製茶(カニガワ) 茶師:比嘉竜一
2018年4月 茶樹:べにふうき 産地:沖縄県名護市
2018年4月摘みの春摘み紅茶です。春摘みながらも発酵は強めですが、とてもやさしい味わいに仕上げました。高発酵高焙煎の紅茶で甘みのある風味です。飲み干したあとの器にも強く甘い香りが長く残ります。
 
準グランプリ 製茶事業者:春日ティーファクトリー 茶師:春日ティーファクトリー会員
2018年5月 茶樹:在来種 産地:岐阜県揖斐郡揖斐川町春日
甘さとフルーティーを併せ持つファーストフラッシュです。
 
準グランプリ 製茶事業者:牧之原山本園 茶師:山本守日瑚
2018年7月 茶樹:べにふうき 産地:静岡県牧之原市
牧之原台地で育ったべにふうきセカンドフラシュです。甘い香りと心地よい渋みを愉しめるバランスの良い紅茶です。
 
審査委員長賞 製茶事業者:マルヒ製茶 茶師:鈴木英之
2018年7月 茶樹:香駿 産地:静岡県磐田市
香気に特徴ある煎茶品種の香駿で製造した紅茶です。香りと甘さ、渋み雑味の少ない味が特徴です。
 
金賞 製茶事業者:木下園製茶工場 茶師:木下 修一
2018年7月 茶樹:べにふうき 産地:東京都
べにふうきの若芽を丁寧に手摘み、手摘みの独特な香りが特徴です。
 
金賞 製茶事業者:お茶のカジハラ 茶師:梶原敏弘
2018年7月 茶樹:ベニフウキ 産地:熊本県葦北郡芦北町
ベニフウキセカンドフラッシュです。
 
金賞 製茶事業者:カネトウ三浦園 茶師:三浦克暢
2018年7月 茶樹:べにふうき 産地:静岡県
初夏の強い光に育まれた茶葉だからこその香りは優雅で華やか。それでいて力強さも同時に感じさせる紅茶です。
 
銀賞 製茶事業者:品種茶専門店 心向樹 茶師:川口史樹
2018年8月 茶樹:べにふうき 産地:埼玉県狭山市
品種の持つ個性を生かし、和紅茶ならではの香味と味わいを引き出せるように丁寧に作りました。「べにふうき」らしい香りと萎凋香を融合させ心地よい自然の甘さを感じる紅茶です。
 
銀賞 製茶事業者:井村製茶 茶師:井村製茶
2018年7月 茶樹:べにふうき 産地:静岡県島田市金谷
ウンカ芽を使用した紅茶です。口に含むと鼻の奥に甘い優雅な香りが残ります。C-SF-6 2018
 
銀賞 製茶事業者:農事組合法人ハサマ共同製茶組合 茶師:山中俊作
2018年7月 茶樹:べにふうき 産地:三重県四日市市川島町狭間
今年のような異常な気候変動に負けない、強く、良い畑づくりを第一に考えています。狭間(ハサマ)の風土ならではの、Kyoukan茶の味わいを共感いただけたらと思います。機械摘み・機械製茶のセカンドフラッシュです。
 

プロダクツ部門の予選を通過しなかった皆さんの作品の得点は以下の通りです。
この中には、上位に入った作品も有りますが、1事業者、1部門、1点のみの規定により、決勝進出できなかった作品が含まれます。

表示は、「エントリーNo. : 得点」となります。得点の低い方が上位となります。
お茶は嗜好品であり、特定の嗜好層を狙ったお茶は今回の得点が下位であっても価値が下がるものでは有りませんが、一つの参考にしていただければ幸いです。

p-02:33pt. p-14:40pt. p-22:41pt. p-31:37pt.
p-04:45pt. p-15:40pt. p-23:35pt. p-32:38pt.
p-06:43pt. p-16:37pt. p-24:39pt. p-33:49pt.
p-08:41pt. p-17:40pt. p-25:41pt. p-34:39pt.
p-09:39pt. p-18:45pt. p-28:31pt. p-36:36pt.
p-10:38pt. p-19:40pt. p-29:35pt. p-37:38pt.
p-11:37pt. p-21:35pt. p-30:37pt. p-38:44pt.

審査委員長の武田先生からご講評をいただきましたので掲載させていただきます。

国産紅茶グランプリ2018 講評
審査委員長 武田善行

国産紅茶グランプリ2018は全国の紅茶ファンの協力により9月24日にグランプリ予選、10月20日にグランプリ決勝を行い無事終了することができました。

このたびグランプリを始め栄誉ある賞を受賞されました出品者の皆様、おめでとうございます。

本年度、チャレンジ部門には24の生産者から50点の出品がありました。また、プロダクツ部門には18の生産者から38点の出品がありました。

チャレンジ部門には名前の通り出品者が様々な意図を持って出品されています。一つは、「べにふうき」等の紅茶用品種を使って最高級の紅茶を作る事にチャレンジしている出品者、二つ目は、緑茶用品種や在来種を使って独自の和紅茶を作る事にチャレンジしている出品者、三つ目は、自分の紅茶がどの程度に評価されるかを知りたくて出品している生産者です。

そのため作り方も手摘みで手揉みや機械摘み、摘採期は一番茶、二番茶、三番茶などがあり、品種は紅茶用品種、緑茶用品種、在来種など正に多種多様でチャレンジングな内容になっています。

決勝に残った10点の紅茶を見ると手摘みの紅茶が上位を占めましたが、品種では「べにふうき」など紅茶用品種に混じって在来の紅茶が堂々と上位入賞を果たしており、日本の紅茶の多様性を感じました。

本年度グランプリを獲得した金川(かにがわ)製茶の出品茶は非常に丁寧に摘まれた若芽を柔らかく揉み、温和で豊かな香気と心地よい渋みのバランスが絶妙で専門審査員だけでなく一般審査員からも高い評価を受けました。

プロダクツ部門は総じてレベルが高く、決勝に進出した10点の出品茶の評価には大きな差はなく、激戦となりました。

プロダクツ部門は市販を前提に作られているため日本の紅茶生産者のレベルを測るバロメーターになりますが、本年度の出品茶を見て最近の日本の紅茶の品質の向上を実感することができました。

プロダクツ部門では「べにふうき」紅茶が圧倒的に強く、決勝に進出した10点中8点は「べにふうき」が占め、残り2点が在来種と緑茶用品種「香駿」の紅茶でした。

本年度もチャレンジ部門、プロダクツ部門ともに紅茶用品種の「べにふうき」紅茶の強さが目立ちましたが、一方で在来種、緑茶用品種を用いた紅茶も高い評価を受け、今後多様な品種を用いた紅茶作りに希望の持てる大会となりました。

尾張旭市の国産紅茶グランプリは日本一の紅茶が集まるコンテストとして紅茶生産者を応援し、美味しい紅茶と接することで紅茶ファンの皆さんを「わくわく」するような大会にするために今後とも努力をして参りたいと思いますので皆様の応援をよろしくお願い致します。

 

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