武田審査委員長 講評

国産紅茶グランプリ2019 講評
審査委員長 武田善行

国産紅茶グランプリ2019は全国の紅茶ファンのご協力により9月28日にグランプリ予選、10月27日にグランプリ本選を行い無事終了することができました。

このたびグランプリを始め栄誉ある賞を受賞されました出品者の皆様、おめでとうございます。

本年度の審査概要、特徴等については下記の通りです。

1 . 本年度は16都府県から90点の出品がありました。内訳はプロダクツ部門が12都府県の43点、チャ レンジ部門が14都県の47点でした。

2 . 出品者数はプロダクツ部門が23、チャレンジ部門が25で重複を除いた出品者数は33でした。このうち15の出品者はプロダクツ部門とチャレンジ部門の両方に出品していました。

3 . 出品茶の品種は、「べにふうき」が38%を占め、アッサム種系が60%、日本種系が40%でした。

4 . 予選通過茶はアッサム種系が80%を占め、日本種系では「香駿」の2点が予選を通過しました。

5 . 出品茶の摘採期は春茶と夏茶がプロダクツ部門、チャレンジ部門ともほぼ同数でした 。

6 . 「1」の評価の割合は21%、「2」の評価の割合は50%、「3」の評価の割合は29%であり、「2」を中心に正規分布しており、評価方法の妥当性が検証されました。

7 . 品質的にはここ数年で格段に上昇しました。特に、市販を前提とするプロダクツ部門の出品茶の品質に向上が認められました。

8 . 個々の技術的な要因としては、アッサム種系品種に対して揉捻が非常に軽くなり、強い苦渋味の紅茶はほとんど見られませんでした。

9 . 過度に長い発酵時間による赤黒味の強い水色の紅茶がなくなり、オレンジ系から明るい紅色の水色をした紅茶が多くなりました。

10.個々の評価について、紅茶に詳しい審査員とそうでない審査員との間で評価に大きな差異はなく、ここで行われている審査法の妥当性が認められました。

11.尾張旭市の国産紅茶グランプリの目的の一つである国内の紅茶生産者の育成という観点から、チャレンジ部門で成果をあげた生産者は今後その技術を実際の生産に向けることをお願いしたいと思います。

尾張旭市の国産紅茶グランプリは国内で最もレベルの高い紅茶の品評会を目指して引き続き努力して参ります。今後とも応援よろしくお願い申し上げます。


 

今回のグランプリで武田審査委員長が講演されました「国産紅茶グランプリ 出品茶の概要」の講演スライドを公開いたします。
国産紅茶を生産されている皆さまだけではなく、紅茶に興味がある方もぜひご覧ください。

 

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