国産紅茶グランプリ2024 審査講評
武田善行
国産紅茶グランプリ2024は9月16日に11名の専門審査員により予選審査を行い、チャレンジ部門、プロダクツ部門ともに各上位10点を選出しました。なお、同一部門に複数エントリーした出品者は、審査規定により当該部門の出品者の最上位のもの1点を受賞の対象としました。
本選は、10月27日に専門審査員10名と一般審査員14名(公募11名、尾張旭市長、同市議会議長、尾張旭市観光協会会長)で行い、採点の結果、各部門でグランプリ賞をはじめ各賞を決定しました。
また、昨年度も実施しましたリモート審査員を今年度も募集し、チャレンジ部門とプロダクツ部門の入賞茶を送付して自宅で審査をしていただき、それぞれの部門で最も評価の高かった出品茶に「一般審査員特別賞」を授与しました。
ここにグランプリ賞を始め栄誉ある各賞を受賞されました出品者の皆様にはこの場を借りてお祝いを申し上げます。
本年度の出品概要、出品茶の特徴等については下記の通りです。
1.本年は17都府県(前年15)から144点(前年122)の出品がありました。内訳はプロダクツ部門が15都府県(前年12)から76点(前年62)の出品がありました。また、チャレンジ部門では、16都府県(前年14)から68点(前年60)が出品されました。
2.出品者数はプロダクツ部門が33(前年30)、チャレンジ部門が36(前年30)で、重複を除いた出品者数は前年と同数の49でした。
3.全体の出品茶の茶種別内訳では、ブレンド茶と品種不明を除いた137点で見ると、アッサム種系が43%、日本種系が57%で初めて日本種(中国種)系が過半数を占めました。
品種では、「べにふうき」が33%(前年36%)を占め、第1位となりました。
緑茶用品種を用いた紅茶の出品は昨年から増加する傾向が見られましたが、今年も多くの緑茶用品種が出品されました。しかし、品種構成は昨年とは大きく異なる傾向が認められたことから生産者が国産紅茶の可能性(多様性)を求めて主にチャレンジ部門で様々な品種を試していることが窺がわれました。
4.予選を通過した20点(プロダクツ部門10点、チャレンジ部門10点)の内訳は、プロダクツ部門では、アッサム種系が9点、日本種系が1点でした。
一方、チャレンジ部門ではアッサム種系が4点、日本種系が6点でチャレンジ部門では日本種系品種の奮闘が目立ちました。
5.144点の出品茶の摘採期は、春茶が50点、夏茶が89点、秋茶が4点、その他が1点でした。
6.本年は夏場の高温と茶芽の生育が止まるような極端な水不足などがあり管理の難しい年となりました。この影響かどうか定かではありませんが、全体的にやや香りが薄い傾向が見られました。昨年多発したウンカ(チャノミドリヒメヨコバイ)は局所的に多発したとの情報もありますが、全体的には発生は少なかったように感じました。
7.本年は焙じ系の紅茶や貯蔵による香りの変化を追求した紅茶が上位に入賞しました。これらの紅茶は好き、嫌いの嗜好が分れたり、再現性が難しいことから今後この分野にチャレンジする紅茶が増えるかどうか注視していきたいと思っています。
本年度はプロダクツ(市販茶)部門で「べにほまれ」品種の紅茶が初めてグランプリを獲得しました。昭和30年代、40年代の全国茶品評会紅茶の部では圧倒的な品質の高さで上位を独占してきたこの品種の復活は個人的にも感慨深いものがあります。
8.国産紅茶(和紅茶)は最近全国的にも関心が高まっていますが、その中心はミレニアル世代のアンテナの高い女性によって牽引されてきましたが、最近その間口が少し広くなったように感じます。
しかしながら、これまで尾張旭の国産紅茶グランプリを牽引してきた愛知県と沖縄県からの出品が昨年に続き今年も1点もなく、危機感も感じています。
9.国産紅茶グランプリはコロナ禍の厳しい状況の中で生まれた自宅でも審査に参加できるリモート審査が定着してきたことは大変喜ばしく思います。
尾張旭の国産紅茶グランプリは消費者と多様な接点をもちながらこれからも全国の紅茶ファンと共に発展させていきたいと思っていますので今後ともご声援よろしくお願い致します。
最後に、生産者、全国の国産紅茶ファンの皆様にこの場を借りて謝意を表します。



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