2023武田審査委員長講評

グランプリ

国産紅茶グランプリ2023 審査講評

審査委員長 武田善行

 

国産紅茶グランプリ2023は9月18日に11名の専門審査員により予選審査を行い、チャレンジ部門、プロダクツ部門ともに各上位10点を選出しました。なお、同一部門に複数エントリーした出品者は、審査規定によりその出品者の最上位のもの1点を受賞の対象としました。

本選は、10月29日に専門審査員11名と一般審査員24名(公募21名、尾張旭市長、同市議会議長、尾張旭市観光協会会長)で行い、採点の結果、各部門でグランプリ賞をはじめ各賞を決定しました。

また、昨年好評であったリモート審査員を今年度も募集し、チャレンジ部門とプロダクツ部門の入賞茶を送付して自宅で審査をしていただき、それぞれの部門で最も評価の高かった出品茶に「一般審査員特別賞」を授与しました。

ここにグランプリ賞を始め栄誉ある各賞を受賞されました出品者の皆様にはお祝いを申し上げます。

本年度の出品概要、出品茶の特徴等については下記の通りです。

1.本年は15都府県(前年17)から122点(前年98)の出品がありました。内訳はプロダクツ部門が12都府県(前年13)から62点(前年40)の出品がありました。また、チャレンジ部門では、14都府県(全年12)から60点(前年58)が出品されました。

2.出品者数はプロダクツ部門が30(前年25)、チャレンジ部門が30(前年32)で、重複を除いた出品者数は49(前年35)と前年と比べて大幅に増えた。

3.全体の出品茶の茶種別内訳では、ブレンド茶と品種不明を除いた111点で見ると、アッサム種系が48%、日本種系が52%でほぼ同じ比率でした。品種では、「べにふうき」が前年同様36%(前年35)を占め、第1位となりました。

緑茶用品種を用いた紅茶の出品は昨年から増加する傾向が見られましたが、今年は特に多く、これらの紅茶が今後徐々に評価が定まれば、新しい和紅茶の可能性が広がるのではないかと期待しています。

4.予選を通過した20点の内訳は、プロダクツ部門では、アッサム種系が7点、日本種系が3点、チャレンジ部門ではアッサム系が3点、日本種系が6点、その他(中国種)が1点でした。

5.出品茶の摘採期は春茶が47点、夏茶が71点、その他が4点でした。

6.本年は夏場の天候不順と猛暑により全体的にやや香りが薄い傾向が見られました。また、各地でウンカ(チャノミドリヒメヨコバイ)の発生が見られ、ウンカ芽で特徴のある紅茶に挑戦する出品者が目を引きました。

7.これまでは上位入賞茶は「べにふうき」で占められていましたが、本年は緑茶用品種の上位入賞が目立ち、プロダクツ部門では「まきのはらわせ」がグランプリ賞を、チャレンジ部門では「むさしかおり」が準グランプリ賞を獲得しました。

8.本年は、出品された都府県と出品者が大幅に伸び、徐々に認知度が高まっていることを実感しましたが、一方で、これまで尾張旭の国産紅茶グランプリを牽引してきた愛知県と沖縄県からの出品が1点もなく、今後その要因の解明と対策が必要であることを感じました。

9.国産紅茶グランプリはコロナがほぼ終息したことから本年は対面での審査を復活させましたが、一昨年から始まったリモート審査も好評であったことから本年も継続して実施することにしました。

尾張旭の国産紅茶グランプリは多様な接点をもちながらこれからも全国の紅茶ファンと共に発展させていきたいと思っていますので今後ともご声援よろしくお願い致します。

最後に、審査委員を代表して関係者、生産者、全国の国産紅茶ファンの皆様に謝意を表します。

2023尾張旭市国産紅茶グランプリ入賞茶紹介

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